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忘れないで

お友達から紹介された俳句集「龍宮」。
釜石で被災した照井翠さんが震災後1年半の2012年9月に出版した句集です。
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宮城に住んでいる私も日常の生活の中で薄れていく津波の被害に遇った被災地への思い。
8月に気仙沼に行き、復興にはほど遠い光景を目の当たりにしたものの目の前の日常に流されてしまっている。
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そんなときに出会った1冊の句集。
俳句という17文字が訴えるまぎれもない事実。「何のこと?」と一瞬考える。遭遇した人でしかわからないような描写。 やるせない思いの数々・・・・

私が12年間育ったところもすっかり更地同然となりました。でも思い出すのは、家の裏に見える安波山、国道45号線、裏の広場で日の暮れるまで遊んだ記憶、隣のおばちゃん家の樹の枝を利用した物干し竿、それに留まるたくさんの赤とんぼ、大船渡線の電車、上を向くと見える広い空と流れる雲、空と雲はさらに見渡しが良くなってしまった今の景色、涙が溢れ出し、自分の悲しい思いに蓋をしていたこと改めて感じました。

照井翠さんの講演会がYou Tubeにアップされていますのでご紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=xRe5RaPv9yY

そんなときに偶然にもまた1冊の本が私のもとに来ました。
「清月記」という仙台の葬祭業の社長さんが書いた本です。
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「遺体の数」、「火葬場の現状」、「借り埋葬(土葬)」、「掘り起し」・・・・
この言葉の意味は分かっても実態は2年半経った今この本を読んで初めて想像できました。
被災地の報道されない現実がそこにあります。
そしてこんなにまで真摯にご遺体に向かわれていた方々がいらしたんだと衝撃でした。

私も薄れていく被災地への想い。でも何ができるのかな?
こうして「忘れないで」と発信することも1つ。

三陸では鉄道の復旧もまだです。オリンピックの東京開催が決まりましたが、沿岸部の復旧はどうした~~!!
原発の問題はもちろん重大事項、それに我が身に降りかかる人がたくさんいるし今も収束していないからそれはもちろん重大になる・・・・

でも、沿岸部の被害の重大さは沿岸部の人しか痛みはわからないんだと思う・・・。
なんかいつになく熱くなっちゃいましたが、自戒も含め「忘れないで」。

もし、忘れないよ、という気持ちになってくださったら本屋さんでこの本を手に取ってみてください。

「キラリの会」に石巻で被災され仙台に引っ越されて来た方が通っていらっしゃいました。
被災の現実、子どもの転校、慣れない土地での生活、2年半大変だったと思います。
でも、今日、「お仕事をすることになったので」と会を辞めることになりました。
「お仕事をする」という決断をされました。前に進む、その為のお別れは寂しいけどとても嬉しいことです!!
どうぞ、行く道を風が助けますように!
by irohanihoheto_ku | 2013-09-13 22:39 | 日常