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一路順風!

今年もステキな年賀状をたくさんいただきました。
何度も読み返して今のご様子を想像し、年に一度の便りではありますが繋がっている感じがいいですね。

新年を祝う言葉もいろいろ。私もそうですが、きっとその方の好みのものを選んでいるのでしょう。
その中で、とても新鮮で日本語訳が今の私の気持ちを後押ししてくれる言葉に出会いなんだかとっても嬉しくなりました。

リンク先の焙茶工房しゃおしゃんの前田さんから頂いた年賀状ですが、きっと修行をされた台湾でのご挨拶なのかもしれません。

祝您全家平安、一路順風!
「ご家族皆様が平安で、行く道を風が助けますよう」

「行く道を風が助けますよう」・・・・風が助ける・・・人事を尽くしあとは「天に任せましょう、よきに計らってくれるように」の境地なのでしょうね、いい言葉です。

今週の土日はセンター試験。我が息子も含め、ご縁のあった受験生を風が助けてくれますように!

 
話は変わりますが・・・・12月31日に、私が好きな人生の大先輩である方がまた一人鬼籍に入られました。
「巨星落つ」は、1月8日の告別式での弔辞の冒頭でした。
私が講師に行っている専門学校の前身である着物専門学校の校長先生、御歳満91歳。
もう20年も前ですがお茶を同じ先生の所で習っていたことがあり、その時のご縁でペン習字の講師に呼んでくださったのです。
時代の流れで着物から別の分野に学校経営を転換するという大きな大きな英断を下し、その新しい学校も10周年を迎え今は軌道に乗っていますので安心されていたことでしょう。

和裁、着物が大好きだった校長先生は、20代で嫁ぎ校長になり3人のお子さんを育て、一家をあげて伝統の技と学校を守ってこられたんです。
20年前、卒業証書の記名を頼まれたことが最初のご縁でしたが、その時の言葉は今も忘れていません。「生徒たちは一生懸命に取り組んできての卒業なんです。和裁は女性の仕事です。だから女性である方に心をこめて記名をお願いしたいと思っていたんですよ。」

校長先生は、いつも前向きでいろんなことに興味をもたれますが、和裁と生徒に賭ける思いは一途、、それと本当に「喜び上手」、「いつもこうありたい自分に向って前進する人」とも弔辞の中で述べられていました。
明るくて上品で情があって・・・ステキな女性でした。

ある時介護をしていた娘さんが「お母さん、今度生まれ変わったらどんな人生を送りたい?」と聞いてみたそうです。
そしたら、(今生は里から仙台に出ましたが)「郷から今度は東京に出て、やはり家庭と仕事を持ちたい」とはっきりおっしゃったそうです。
最期はご自宅で療養され、ご親族が年の暮れに集まった中で「幸せだった、ありがとう」と静かに息を引き取られたとのこと、12月31日、2010年を最後の最後まで生ききったというのも校長先生らしいあっぱれな最期です。

ご自宅にお見舞いに行かれた方はこうもおっしゃっていました、「こういう風に生きると幸せになるのよ、という見本をいつも見せてもらいました」と・・・・

私が存じ上げることだけでも決して平穏な人生ではなかったはずですが、どんな時も真摯な姿勢で臨む所にはやはり、「一路順風、行く道を風が助けてくれる」のだと校長先生の人生を垣間見て感じました。 だから、もう、校長先生は次の風に乗って来世に夢を馳せているのだと下界で思っております。

長い話になってしまいました(^^;
そろそろお稽古の子達が来ます。
私もいろんな方の思い頂いたので、私の所に来てくれる子どもたちにお返ししなくちゃね。
by irohanihoheto_ku | 2011-01-12 13:59 | 日常